中目黒で気軽に美味しいブランド和牛を食べられる「極上肉料理 だいごろう」 2015.5.15
ある日、出会ってしまったのです、極上センス光るこのステキな名刺に(笑)
友人から見せてもらったその名刺のビジュアルは、飾り立てていないのに強烈なインパクト。そもそもこの人誰? これはもう、名店の予感しかしない! というわけで訪問です。
■肉への情熱にあふれる表情豊かな大将
どんなお店なのかリサーチもせずに訪れた「極上肉料理 だいごろう」は、中目黒駅から歩いて5分程度、駒沢通り沿いにあります。
お店はビルの2階。
階段を上り、
暖簾をくぐると、
店内は、4人がけのお座敷の席2つと、カウンター席が5つ。
お座敷の壁の牛のステキな絵が印象的。おや、カウンターの中にいる男性は、もしかしてあの名刺の・・・?
――あのー、すみません、中目黒新聞と申しますが・・・
「あぁ!」
「いらっしゃいませ、こんばんは!」
「よろしくお願いしますね!」
と言ったかどうかは定かではないですが、こちらが変顔のデパート「極上肉料理 だいごろう」の店長ハットリさんです。お名前は「ダイゴロウ」ではないのですが、
お顔がダイゴロウっぽいので
店名は「だいごろう」だそうです。うん、納得しかない。ということで今回の記事は、サービス精神満点のだいごろうさんもとい大将多めでお届けします。ではさっそく、一杯いただきながらお話をうかがうとしましょう。
――メニューを見るとワインがおすすめのようですね。お肉とのマリアージュ的な?
マリアージュ!? そんなかっこいい店じゃないですよ! ワイン推しに見せておいて実は生ビール推しなんですけど、ワインにしておきましょうかね。(スタッフの方に向かって)合うワイン一丁!
――(無茶ぶりをされたスタッフの方&中目黒新聞)ええっ!?
・・・とまあ、こんなノリなんですが、ちゃんとお肉料理に合わせた赤ワインを出していただきましたよ。
エコバランス ピノノワール(グラス1杯600円)
ワインのラインナップは豊富で、肉や好みに合わせてセレクトしてもらえるので安心。
そして推しの生ビールも。
本日のお通しのポテトサラダが美味!
2015年3月20日にオープンしたばかりのだいごろうは、大将曰く
「肉しかない、けどいい肉しかない」
という肉好きには心強いお店。
魚介系のメニューは一切なく、松坂牛、神戸牛、近江牛などの上質なブランド和牛を赤身中心で取り揃えています。そしてほぼすべてのお肉は、大将自ら芝浦市場に出向いて買い付け。
――どうやってお肉を選んでいるんですか?
「んー、持つとわかるんですよ。肉の塊に触ると、肉の目としまりがわかるんです。ぶよぶよと手に余る肉はダメ。ギュッと固く締まっているのがいい肉ですね。やっぱり、松坂牛や神戸牛などのいい産地の肉は締まっていてうまい! 触っただけでわかります」
肉のことになると変顔もどこへやら。想いを熱く語ってくれます。
「仲卸の方々とも信頼関係ができていて、万が一納得できない肉があれば返すんです。この顔でゴネたらやっかいそうじゃないですか(笑)、だから最初からいい肉を提案してもらっています」
おや、このポーズはいったい・・・・・・
話は戻って、ブランド和牛はブランドの証明として枝肉に焼印をつけるそうです。大将の手元にあらせられるのは、泣く子も黙る
神戸牛の菊の紋。
店内にはブランド和牛の証明書も掲示されていて、その時仕入れられているお肉が分かるようになっています。
■炙り、煮込み、焼き…ここは和牛天国だ!
では、極上肉料理をいただきましょう!
おつまみ系で人気No.1を争うふたつのメニューを出していただきます。まずはコチラ。
神戸牛のあぶり九条ねぎまみれ(1,000円)
たっぷりの九条ねぎの下には、ほんのりあぶられた神戸牛! 「だいごろう」のお肉は霜降りではなく赤身がメインですが、そのなかでも比較的脂ののったおしりの部分だそうです。肉の脂に負けない、柑橘の強いポン酢と九条ねぎとともにいただきます。
おいしーーーい!!!
写真の印象よりも大きくてしっかり厚みがあります。柔らかいのに芯があってちょうどいい歯ごたえ! 噛むと肉のうまみが出てきて、一枚でも大満足の肉肉しさです。また九条ねぎの甘みとの相性も抜群です。続いては、
和牛すじの煮込み(700円)
クリアなスープですね・・・
何これ、おいしすぎる!!!
――煮込みといえば普通は味噌やしょうゆがベースですよね。こちらは何を使われているのですか?
「かつおとさばの出汁です。一般的に、煮込みで使う牛筋は外国産でくさみが強いので、茹でこぼしてから濃い味で煮るんです。でもうちで使っているお肉は素材がいいので、熱湯でサッと血抜きするだけでくさみがなくなるんですよ。だからこんな薄味の出汁で煮込んでもおいしく食べられるんですよね」
あっさり優しいお出汁でいただく牛筋は、噛まなくてもいいくらいにトロトロです。脂もサッパリでぷるっぷるの食感。口のなかいっぱいに甘みがジュワっと広がります。
――この煮込み、手間暇かかっているんじゃないんですか?
「いやいや、素材がいいから逆に仕込みに時間がかからないんですよね。あ、化学調味料を使っていない無添加ですよ。って書いといてくださいね。女子ウケよさそうだし」
――本当にお肉への想いが並々ならないですよね。前から肉料理のお店をされていたんですか?
「以前は焼肉屋をやっていたんですよ。でも、焼肉屋ってお客様が焼くじゃないですか。
僕、自分で肉焼きたくて。
あと、肉の塊が好きなんですよね。
だから自分で塊肉を切って焼けるステーキ屋っぽい和風なお店をすることにしたんです」
――なるほど、大将やはり大の肉フェチですな。
――じゃあ、お肉へのこだわりは以前から?
「そうですね。でも『だいごろう』になってからは以前にもましてこだわるようになりました。肉も魚みたいに産地ごとに旬があるので、『冬はこの産地の赤身がおいしい』など、素材の旬を考えて買い付けています。あと、肉のおいしさって人によって違うんですよね。脂が苦手な方や肉の甘みを好まない方もいるので、少しでも好みに合うようなお肉をお出しできればと思っています」
やはり肉への情熱はハンパない、と思っていると「大将、なんで今日はそんなに真面目なの! よそいき感出すぎ!」「こんな大将初めて見たよ!」と常連さんから温かいヤジが。
またこのポーズ・・・
お気づきの方もいるかもしれませんが、大将は生粋のモノノフ(ももクロファン)で紫と黄色推しだそうです。この日いらしていた常連さんは、以前からのモノノフ仲間だそう。
お花も紫&黄色・・・ これは本気のやつだ! 「ももクロファンだってこともプッシュしといて!」と言われましたが、モノノフな方もそうでない方も気持ちよく過ごせる空間ですのでご安心を!
そして次にいただいたのは「おかわりする人も多い」という隠れた人気メニュー。
クレソンのナムル(580円)
――珍しい! というか初めて! どうしてクレソンをナムルにされたんですか?
「一応ステーキ屋さんだから肉の付け合わせにクレソン出しているんですよ。で、余ってしまったことがあって、試しにナムルにしたらおいしかったんですよね」
確かにこれはおいしい。ひとくち目はナムルの味付けが強いけれど、噛むうちにクレソン独特の苦みが出てきて混ざり合う、新発見のおいしさ。これは家でも試してみたくなります。
さあいよいよ、“極上肉料理”の真髄である焼き料理をいただきます!
登場したのは、神戸牛。
30日間熟成のイチボ&希少部位ミスジ。
贅沢に厚みは軽く2cm以上!
そしてこれより大将の手により焼かれます。
厨房内の大きな特製七輪。
付け合わせのパプリカ、ズッキーニ、スナップエンドウとともにジュワ~っと焼き中。
あれ、誰ですか? お肉と真剣勝負中の大将はさっきまでとは別人のよう。
肉を一途に見つめるそのまなざしは職人そのもの。なんだかドキッとしちゃう・・・
と思いきやグラビアポーズか~い!
常連さんから「そのポーズ古いよ!」の声。そんなこんなでお肉も野菜も焼きあがり完成です。
神戸牛希少部位(1,900円~) ※肉の部位は仕入れによって変わります。またお好みの焼き方を注文できます。
見てください、このミディアムレアの鮮やかな色! もう言葉はありません。
付け合わせの塩に加え、左から本わさび(その場ですりおろしてくれます!)、西洋わさび、にんにくチップ、さらにこの他にステーキソースやしょうゆも用意されるので好みの味付けでいただくことができます。
さあ、いよいよいただいてしまいます!
ああ、文句なしにおいしい!!!
ミスジはプリプリとした弾力があり、うまみを味わっているうちにどんどん柔らかくなって喉の奥に消えていきます。
イチボは噛みごたえが十分。心地よい歯ざわりと品のある肉の甘みが同時にやってきて、「肉を噛みしめる喜びってこういうことなんだ……」と感動すら覚えます。
大将の「いい肉はやっぱりうまい」のセリフをこれでもかというほどに実感します。
ちなみに薬味類は試行錯誤中で、熟成マスタード、黒・白のトリュフ塩、岩塩、柚子塩、ピンクペッパー、梅塩などいろいろなものを実は用意しているそうです。「大将、あれで食べたいんだけどある?」って聞いたら「あるよ」って言ってくれるとか、くれないとか。
さて、上質な肉を少量だけいただくのが大人のあるべき姿なのだと思いますが、中目黒新聞は大人になれませんでした。このおいしいお肉をもっと食べたい! ということで出していただいたのがシメのこちら。
炙り肉の鉄火丼(680円)
軽くあぶった和牛を、まさにマグロの鉄火丼のようにいただくもの。セットで赤だしがついてきます。
ふんわりやわらかいお肉はわさび醤油との相性もバツグン。丼をかきこむ手が止まりません! いい肉はごはん相手にも最高のパフォーマンスを見せてくれます。
さらにさらに! ここでもうひとつ人気のシメをいただいちゃいました。
だいごろうごはんZ(680円)
和牛コンビーフ×TKGという最強の組み合わせ! こちらも赤だしつきです。
甘辛味の牛肉にトローッとからんだ卵・・・ おいしくないはずがないでしょう! これ!
■「極上肉料理 だいごろう」は味も居心地も極上
最後にお伝えしておきたいのが
「極上肉料理 だいごろう」のランチ情報!
平日11:30~14:00はランチをやっていて、メニューはこちら。
さきほど紹介したシメの鉄火丼(ランチ用ボリュームアップ版)は最近の一番人気メニューだとか。
ここで大将からのお願い!
「ランチもオーダーをいただいてから塊から肉を切っているので、少しお時間をいただく場合があります。なんせランチタイムは一人でやっているので・・・ ご理解いただけるとありがたいです」だそうです。中目黒新聞的には、こんなに安く「だいごろう」のお肉を食べられるならいくらでも待ちますって感じです!
「極上肉料理 だいごろう」は、とにかく肉を愛してやまないひょうきん指数高めの大将が、本当に極上の肉料理を出してくれるお店でした。お肉のことになると、笑いを交えながらも嬉しそうに紹介してくれる表情が印象的。飾らないけれど、ちょうどいい距離感でおもてなしをしてくれます。
ご本人は「素材にこだわってるんじゃなくて、素材に甘えてるんですよ(笑)」と話しますが、極上の素材を見極め、最高の料理に仕上げてくれるのは大将の腕に他なりません。季節ごとにメニューや素材が変わり、訪れるたびにお肉との幸せな出会いを楽しめると思いますよ。
極上肉料理 だいごろう
所在地:目黒区上目黒2-10-7
TEL:03-3716-0621
定休日:日曜日
営業時間:[月~金]11:30~14:30/17:00~24:00 [土]17:00~24:00
Facebook:https://www.facebook.com/nikudaigoro0621