中目黒で22年間愛され続けるスリランカ料理の名店「セイロン・イン」 2013.7.11
夏だ!カレーだ!
ということで、注目していたけれど未開拓だったスリランカ料理店「セイロン・イン(Ceylon Inn)」に突撃してきました。
お恥ずかしながらカレーとかセイロンティーくらいしかスリランカ料理のイメージがつかず、ちょっと楽しみ。
中目黒で22年も続いている名店の魅力を、いざ探ります!
■スリランカのお酒は飲みやすかった。
スリランカはインドの南にある島国で、料理は南インドと似ているのだそう。
平日夜に伺ったのですが、カップルや外国人を含む国際的なグループが食事をしていたり、マダムたちがセイロンティーやマサラチャイで食後のお茶をしていたりと、食べて、飲んで、お茶もできる、親しみやすいお店なんだな~とほっこり。
さっそくドリンクをオーダー。
「LION LAGER」(600円)
スリランカでポピュラーだというこちらのビール、きめ細かい泡がたまりません!
麦の味が強く、少し酸味のあるさっぱりとした風味が新鮮です。
立て続けにこちらも注文。
「ARRACK(アラク)」(450円)
スリランカを代表する蒸留酒で、ココナッツの花の汁から作られたお酒。
さわやかで華やかな甘みがフワッと広がります。
これでアルコール度数33.5%だなんて信じられない!
暑い南国で愛されるのはこういう飲みやすいお酒なんだと納得です。
他にも、現地のお酒・ワイン・ソフトドリンクといろいろ選べるので、慣れないお酒はちょっと・・・ という方でも安心ですよ。
■予想をはるかに上回る、料理の充実ぶり。
メニューをめくると、出るわ出るわスリランカ料理。
「カレーで十分かな」と思っていたのが恥ずかしくなる充実ぶりにテンションが上がります!
料理はすべて写真つきで、見慣れないメニューには説明文が書いてあるので「どんな料理だかわからない」という心配がありません。
外国料理のお店でここまでしてくれると嬉しいですよね。
この日は、スリランカ出身のご主人はお休みで、日本人の奥様にお話をうかがいました。
中目黒新聞
スリランカ料理といったらコレ!という醍醐味を味わえるオススメ料理はどんなものがありますか?
奥様
そうですね、スリランカでポピュラーなスナックはどうですか?
「5種類の盛り合わせ」でしたらいろいろな味を楽しめてオススメですよ。
と、とても丁寧にガイドしていただきいよいよお食事をいただきます。
スナック盛り合わせ(1,345円)
どれも少し大きく、2人で半分ずつシェアしてもいいサイズ。
スリランカの味を少しずついろいろ楽しみたいという方にはぴったり。
左から、
カツオをスパイスなどで煮込んだ「アンブレティヤル」、
カレー風味の6種の野菜をモッチリ生地で包み焼いた「野菜ゴーダンバ」←記者おすすめ!
牛挽肉とポテトを包み揚げたサックリ&しっとりの「スリランカ春巻き」←記者おすすめ!
スリランカの定番、食べやすい塩味のお魚コロッケ「カトラス」(手前)
鶏挽肉などを包み揚げた、見た目を裏切るふんわり感の「パティス」(奥)
どれもしっかり味がついているのでそのままでもおいしいのですが、レッドチリとグリーンチリのソースをつけてもこれまたおいしい!
レッドチリは見た目に反してマイルドで甘く、グリーンチリは甘みとなかなかの辛みが同時に味わえます。
■ビールに合う!幻のレバーのシチュー
スリランカはシチューもポピュラーなのだそう。
といっても、私たちが知る欧風ビーフシチューなどとはワケが違います。
汁気は控えめ、野菜とスパイスがたっぷりなんです。
こちらのレバーのシチューは、最新のメニューには載っていない幻の逸品。
奥様のおすすめでいただきましたが、元々メニューにあったものなのでタイミングが合えば食べられるかも?
さっくりとやわらかいレバーに、シャキシャキのピーマンとタマネギが絶妙にマッチ!
しっかり煮込んであるから、噛むほどに甘い、すっぱい、しょっぱい、辛い、といろいろなスパイスの味がわき出て口の中が大盛り上がり!
元気な料理にビールが進む~~~~~
■カレーはマイルドとスパイシーの2ジャンルあり。
そして、とんでもない衝撃が・・・
本日のメインイベント、スリランカカレーのお時間です!
セイロン・インでは、辛みを抑えたマイルド系とスパイスをきかせたスパイシー系の2タイプがあり、それぞれ数種ずつラインナップされているという充実ぶり。
インドカレーに近いけど、インドでは宗教上食べられないビーフやポークもあり。
ナンとライスだけでなく「ロティ」や「ポルサンボラ」といった初めて聞くカレーのお供もあるんです。
中目黒新聞
どれがいいですかね~?
やっぱりマイルドとスパイシーを1種類ずつはマストですよね!
あとポルサンボラとロティを食べてみたい!
でもどの組み合わせがいいのかわからない!
どうしたらいいですか!?(未知の領域に興奮中)
奥様
ポルサンボラはココナッツと唐辛子のふりかけと呼ばれるもので、マイルド系のカレーと特に合いますね。
ロティはナンよりももっちりとした生地のパンで、どんなものでも合うと思いますよ。
ということでマイルド系、スパイシー系とも注文。
まずマイルド系ペアをいただきます。
ポルサンボラ(950円)/ホウレンソウカレー(1,050円)
ん~、おいしそう!
まぜまぜしていただきます。
・・・・・・
辛っ!!! ぇえええええええ!?
え、なにこれ? 何が辛いの? カレー?
あ、違う、ポルサンボラだ!
ココナッツとホウレンソウカレーの組み合わせ、マイルドでクリーミーだろうと思ったら驚きの辛さがここに。
でもしっかりココナッツ味で、深みがあっておいしいんですよ。
マイルドなホウレンソウカレーとの相性もなかなか。
でも辛い!おいしい!辛い!おいしい!やっぱり辛い!
ビールおかわりお願いしま~す。
■もっちりロティとどろ豚のポークカレー
衝撃の出会いの次はスパイシー系カレーの登場です。
ポークカレー(1,150円)/ロティ(320円)。
ロティは奥様に教えていただいた通り、ナンよりも弾力があってクセになりそうなおいしさです。
ポークカレーには、北海道で放牧されて育った「どろ豚」が使われているそうです。
ん? あんまり辛くな・・・・・・
いやいやいや辛いよね、後から本領発揮するタイプだね!
うまみの後に辛さがじわじわと迫ってくる濃厚なカレーです。
そしてどろ豚、やわらかっ!!
口に入れた瞬間にホロホロと崩れます。
しかもジューシー!
まさかスリランカ料理でこんな豚に出会えるとは。
どろ豚に感動していてふと気付きました。
ロティ+ホウレンソウカレーを食べたらお口がすごく平和なんじゃないか?
試しにトライしたら、ホッとするマイルドな甘みが口いっぱいに。
ちょっとほっとするおいしいけど、なぜか辛いペアにも手が伸びる・・・
これがセイロン・インの魔力なのでしょうか。
※ちなみに記者は辛いのが苦手なタイプです。
■22年間愛される秘密は“誠実なおもてなし”にあり。
オーナーの奥様に改めてお話をお聞きしました。
中目黒新聞
スリランカ料理のお店ってなかなか見かけませんよね。
奥様
そうですね、都内でもこうして本場の味のお店は本当に少ないんですよ。
日本の方々にそこまで浸透していませんし、そうなると本場の素材の仕入れも工夫が必要だったり、いろいろな面で長続きさせるのが難しいんですよね。
中目黒新聞
それでも長年続けてこられたということは根強いファンの方も多いのではないですか?
奥様
ありがたいことに日本の方はもちろん、スリランカの方もたくさんお越しいただいています。
先日はスリランカのマヒンダ・ラジャパクサ大統領が来日していたのですが、帝国ホテルのパーティにケータリングもさせていただきました。
中目黒新聞
ほえ~、スリランカ政府御用達じゃないですか~
中目黒の誇りです!
今日はご馳走様でした。
本格的なスリランカ料理が楽しめる「セイロン・イン」ですが、ランチもおすすめですよ。
6種類のカレーと、ナン、ロティ、ライスよりひとつお好みのものを選ぶと、日替わりの野菜カレー、サラダ、デザートがついてきます。
お値段も880円~と良心的。
また、夜おひとりのお客様には「サービスセット」というものがあり、1050円でカレーとサラダのセットがいただけるんです!
なんだか嬉しくなっちゃいますね。
閉店後、お掃除中のキッチン担当(左から)カライさん、モーガンさん、ルビさんをパチリ。
スリランカ料理ってどんなの?→辛い!→でもおいしい!と普通に楽しませてもらいましたが、取材を終えて思ったのは、セイロン・インがスリランカの味と文化をとても大切にしているということ。
「私たちが愛するおいしいスリランカ料理を食べてほしい」という純粋な気持ちがお料理を通じて伝わってきました。
この夏、これまで知らなかった国の料理を食べてみるという楽しみ方はもちろん、スパイシーな味による汗もにじむ刺激的な体験、そして中目黒で22年間も愛され続けている、誠実で飾らないおもてなしを味わってみてはいかがでしょうか?
セイロン・イン (Ceylon Inn)
所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-7-8
TEL:03-3716-0440
営業時間:[月] 11:30~14:30 [火~土] 11:30~14:30 17:30~23:00 [日] 17:30~23:00
定休日:月曜日のディナー・日曜日のランチ
ウェブサイト:http://www.ceylon-inn.com/
アクセス:東急東横線中目黒駅 徒歩2分