カカオハンター in 中目黒「ハニー珈琲15351」《後編》『カカオ豆の焙煎からの、チョコレート作り』ワークショップ 2013.1.29
さー、皆さんお待たせしました!
前編に引き続き、後編はワークショップの様子をお伝えします。
カカオハンター小方さんによる『カカオ豆の焙煎からの、チョコレート作り』ワークショップ in ハニー珈琲15351 がはじまりますー
参加者の数は総勢7名。
皆さん、チョコレートへの愛と探究心に溢れた強者ばかり。
和やかにスタートした自己紹介も早々に、講義へ突入。
カカオ豆からチョコレートへの行程は大きく分けて3つあるとのこと。
《焙煎》 《粉砕》 《精錬》
その前に、農作物としてのカカオとは何か?
カカオの模型を見ながら、お勉強。
カカオは熱帯のフルーツで、そのフルーツの果肉の中にある種がカカオ豆と呼ばれるそう。
収穫されたカカオの種は、発酵・乾燥を経てカカオ豆として市場に供給されます。
今日のワークショップは、小方さんが直接現地コロンビアで仕入れてきた厳選されたカカオ豆たち。
どうです、美しいでしょ?
この発酵・乾燥を経たカカオ豆はどんなものかというと・・・
感想「メチャ酸っぱい。」
ここで、コーヒー豆とカカオ豆の生育の違いや、生産地として適した環境の違いについてお勉強。
さすがカカオハンターの小方さん、生産地の現場を走り回っているだけに、出てくる情報がめちゃくちゃ深いんです。
そんなお話をしていただきながら、先ほどの豆たちが焙煎機へ。
まずは《焙煎》の工程です。
焙煎機は普段コーヒー豆を焙煎するもの。
時間は35分くらい。季節や豆の状況を見ながら、時間を調節。
実はカカオ豆を加熱、焙煎すると厳しい香りが発生するので、ご自宅などで挑戦する時はしっかり排気が出来る場所でないとお部屋が大変なことになってしまいそうです・・・
焙煎している最中は、カカオ豆の焙煎についての講義。
豆そのものが持つ味と焙煎により表現する味の違い、などなど。
ふむふむ、コーヒー焙煎と通じるような、通じないような。
皆さん、メモしながら、気になる点はどんどん質問していきます。
その質問に、的確に答える小方さん。
そして、講義をしながらチョコづくりの作業はハニー珈琲店主の朝日さんがしっかりとサポート。
随所に小方さんから朝日さんへの、質問&ツッコミのかけ合いで盛り上がります。
ここで、ハンター小方さんの武器が登場!
名付けて、カカオカッター!(編集部が勝手に命名)
焙煎前の豆をこちらの台にのせて・・・・・
蓋を閉じたら、
体前屈測定を行います。
じゃなくて、両足で挟みこみ、上からカッターをグイッと力任せに押し込みます・・・・
ガリッガリッガリガリガリガリガリガリー
全部押しこんだら、蓋を開けます。
おぉ~、見事にカカオがカカオカッターにより真っ二つです。
そして1つ1つの色味の違い、それが味とどう関係するのか小方さんからレクチャー。
紫が濃いのはポリフェノール含有量が多い豆なのだそう。
カカオ豆の品質を知るには、やはり豆の中をしっかり見ることが重要とのこと。
トレンドとして、コロンビアではコーヒー栽培のように1品種のみを1つの農場で育てる栽培方法ではなく、品種の違うものを同じ敷地に交互に植えて育てる方法がトレンドだそうです。
これはそれぞれの国の農業政策との関係などもあるそうです。
砕かれた焙煎前の豆を参加者みんなで味見。
渋みのあるものや、ないもの、豆によって大きな違いがあることに参加者もびっくり!
そうこうしているうちに、焙煎終了。
先ほどのような酸っぱさは消え、香ばしい豊かなカカオの香りです。
焼き上がったカカオ豆を朝日さんが取り分けてくれます。
そして、この後、
驚愕の行程が待ち受けていました・・・
それは、
この何百?何千?とある大量の豆を・・・
みんなで、
手ムキするーーー!!
そうなんです、チョコレートというスタイリッシュで、エレガントな食べ物を作るために、カカオ豆の皮を1つ1つむくという、
なんと地味な作業・・・
もはや無人島0円生活で「チネる」みたいな伝説づくりへの挑戦です。
てっきり、こういいった作業はハンター小方さんの新たな武器が登場すると思っていたので、意外な展開に驚きました。
こうなったらチネる、もとい、ムキムキしまくるしかありません!
この作業、皮だけをキレイに剥こうとしても、どうしても実の方まで崩れてしまい、なかなか難しいのです。
しかし、根っからの手先器用人間の私としては、ひとたびムキムキ作業に加わると・・・
スゲェ楽しい!!
そして・・・
とったどーーーー!!!見てみてーー!
きれいにムキムキした豆を濱口さんばりの勢いで皆さんに報告!!!
・・・・・・・(シ~ン)
みんな、寝るなーーーーーーー!!
はい、スミマセン、もちろん皆さん寝てるわけではなく、完全なムキムキ集中モードです。
皆で力を合わせることで、どんどんと剥かれていくカカオ豆たち。
この「手仕事」を通じて不思議な一体感が場に生まれています。
そういえば、被災地の漁港や市場で働いていたお母さん達は、職場を失い、日ごと笑顔を忘れ、時間が経てば経つほど前向きな気力を失ってしまう方が多かったそうです。
そこに、「手仕事」を生み出すことで、場が生まれ、毎日お母さん達が集い、世間話をしながら、ワイワイと笑顔で前向き気持ちを持てる新しい日常が生まれたそうです。
もしかしたら、こういう時間が私たち人間には必要なのではないか?
毎日パソコンに向かって、1人で作業していると笑う時間も少なくなるし・・・
なんて事を考えながら、さらにムキムキ!
好きな人のために、ムキムキしてつくったチョコレートをプレゼントしたら絶対美味しくなるよねー、とか
子どもが居たら一緒にムキムキ挑戦してチョコレートがつくれたら、さらに楽しいだろうなー、とか
毎日ジムに通ってランボーみたいにムキムキになったらモテるようになるかなー、とか
ムキムキに慣れてきて皆さんでいろいろおしゃべりしながら、それでもムキムキは止まりません。
そして、ムキムキすること30分。
ついに伝説達成!!
皆でワイワイやると、意外と早く終わったように感じました。
ここから、《粉砕》の行程へ突入!
ここで豆の分量を計り、その比率に合わせて砂糖を加えます。
粉砕は業務用のミキサーで行います。
粉砕していくと、少しずつ摩擦で熱が加わり、カカオバターが溶け、チョコレートへと姿を変えていきます。
しばらくするとこのような状態に。
やっと見覚えのある姿に近づいて来ました。
スプーン1杯ずつ、味見のコーナー。
ワクワク。
お味の方は・・・
まだ完全なペーストではないので、舌の上でザラザラするくらいの状態。
甘さ+酸味、焙煎した豆の香りが心地よく、しばらくするとリンゴのようなフルーツの風味がふわっと口の中に広がります。
う、う、うまい!
何これ、チョコなの?
まったく新しい感覚に思わずお隣の参加者さんと目を見合わせてしまいます。
ここからさらに、業務用ジェラートマシーンを使い、細かいペーストを作ります。
こういった業務用の機械がしっかり備わっているから、ハニー珈琲で本格的なチョコレート作りができるんですね。
さらにクリーミーになったペーストを今度は《精錬》の行程へ。
精錬の行程は、写真でご紹介。
小方さん曰く、精錬での温度管理、指先でのチョコレートの質感の変化、“テンパリング”の作業がツヤと口溶けの良さを左右する大切な行程とのこと。
私はもう完全にテンパリます、が。。(ヤバい、またあの静寂が・・・)
何度も作って、経験値を上げることで上手にできるようになるそうです。
いつの間にか、空も暗くなってきました。
皆さん、まだまだ集中を切らさず、真剣な表情で臨んでいます。
型に入れ冷ましていたチョコをいよいよ開封する最後の儀式です!
先ほどの“テンパリング”の作業がうまく行くと、型から自然ときれいにチョコが外れるそうですが・・・
緊張の一瞬。
やったー!
ついに完成!
大成功です~!
出来上がったチョコを皆でいただきながら、口当たりや風味、アロマについて皆さんでディスカッション。
さらに、朝日さんが作ったチョコレートジェラートを堪能。
これもまた本当に美味しかったーー、絶品(涙)
こうやって、チョコレートについての感想をシェアしながら、お互いの感性を刺激し合う。
まるでカカオ豆の焙煎からつくり上げるチョコレートのような甘く濃密な時間でした(うまいっ)。
最後に朝日さんにコメントをいただきました。
朝日さん
僕自身もまだまだ勉強中です。
少しでも多くの方と一緒にお話をしながら、作り方や味への追求を続けていけたらと、ワークショップを企画しています。
中目黒は地域柄、感度の高い方が集まる場所なので、様々な方がお店にお越しいただけているので、これからも楽しみです。
プロフェッショナルな方でも、そうではない方でも、コーヒーやチョコレートが好きな人たちが楽しめるサービスと場を提供していけたらと思っています。
朝日さん、素敵なひと時をどうもありがとうございました!
そして、小方さん、ワークショップはもちろん、貴重なお話もありがとうございました。
4時間という長丁場でしたが、終わってみるとあっという間のプログラムで、とても楽しかったです。
今後の「ハニー珈琲15351」と「カカオハンター小方さん」のコラボレーションを楽しみにしています。
中目黒で美味しいコーヒーとチョコレートを味わいたい方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
お店で焙煎されたいろいろな国のコーヒー豆も購入出来ます!
<お知らせ>
2月の6日(水)/ 7日(木)にもハニー珈琲15351にて、またまたディープなチョコレート講座を企画中とのこと。
ご興味ある方はぜひ下記のfacebookページの情報をご覧ください。
また、スペシャリスト朝日さんのアシスタントの方を現在募集中とのこと。
こちらもfacebookページに情報があります。
(も)
ハニー珈琲15351
東京都目黒区上目黒1-10-5 フィールドストーン1F
電話:03-6427-0806
営業時間:8:00〜22:00
定休日:月曜日
HP:http://www.honeycoffee.com/
FB:http://www.facebook.com/honeycoffee15351/
ツイート